学園都市の系譜を継ぐ、
段差のある立体住空間

学園都市の思想を「暮らし方」として継承し、
住まいそのものを、子どもの成長の舞台と考える。
『ヴェレーナ玉川学園前』が、
2026年度グッドデザイン賞を受賞しました。

玉川学園。この街は、教育施設ではなく「学びの環境」をつくってきました。
その思想は、暮らしそのものが、「学びの場」であるということ。
学園都市の思想を受け継ぎ、さらに本計画は、「マンション=フラット」という既成概念を見直し、
段差を軸とした立体住空間によって、子どもの身体性・探究心・自発性を育み、
家族の心地よい距離感を生み出す集合住宅を提案。
画一的な住空間の制約から家族を解放し、
住まいそのものが成長を促す舞台となる、集合住宅の新たな居住モデルを提示した
本計画のデザイン性が高く評価されました。

学園都市の思想

教育者・小原國芳が掲げた「真・善・美」の理念のもと、玉川学園前は100年近くにわたり、
教育・芸術・自然が調和する街として育まれてきました。
丘陵の起伏を活かした有機的な街路、豊かな自然、眺望を大切にする文化。
暮らしそのものを「学びの場」とする思想こそが、
この街を形づくってきました。

歩くたびに、風景が変わる。
街も、敷地も、
住まいのなかも。

学園都市の思想を受け継ぐとは、街並みの意匠を模倣することではない。
『ヴェレーナ玉川学園前』は、「暮らしそのものが学びの場である」という街と学園の思想を、
住空間の設計そのものに翻訳することだと考えました。
「街の丘陵」→「敷地の高低差」→「住戸内の段差」がつながり、
すべてが子どもの成長の舞台になります。

LOCATION 丘陵の起伏を活かした街路

LOCATION

丘陵の起伏を活かした
有機的な街路を100年近く前に
築いた学園都市

LANDSCAPE 高低差を活かした外構

LANDSCAPE

街の高低差や文教地区としての
静けさを受け止める
外構・植栽計画、共用空間

PLAN 立体住空間

PLAN

スキップフロアや掘りごたつ
など探検するように暮らせる
立体住空間

デザイン3つのポイント

審査委員の評価コメント

集合住宅は、経済合理性が優先されることで画一性に陥りやすいことが一つの大きな課題だったが、近年では平面計画やファサードへの工夫に挑戦する計画も数多く目にするようになった。しかし断面方向への提案は、やはりまだまだ少ない。この計画は、その断面方向への提案を積極的に行なっているところが素晴らしい。レベル差のあるダイニングやリビング、ちょっとした小上がりや床下収納など、僅かな変化だが、このことが居住性を格段に向上させている。少し視線の高さが変わるだけでも空間の広がりを感じるだろうし、家族間のコミュニケーションすら活発になりそうである。今後も積極的に展開していって欲しい提案である。